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同性愛暴露と恐喝 容疑の男 福岡県警逮捕

福岡県警が、同性愛を暴露するなどと脅して男性から約1060万円を脅し取ったとして恐喝容疑で男を逮捕していたことが13日分かった。男は恐喝罪で起訴され、同日に福岡地裁小倉支部(野路正典裁判官)で開かれた初公判で起訴事実を否認した。

西日本新聞夕刊 2007年3月13日付より

 記事は次のように続きます。

起訴状によると、○○被告は2005年6月、30代の男性に対し「入手済みの(男性の)裸体映像をあなたの両親や会社などに配信する」「誠意は一般的には金銭での解決だ」などと記したメールを送信。計4回にわたって別の男名義の口座に計約1060万円を振り込ませて脅し取ったとされる。(引用者注・被告の名前は伏せました)


 さて、記事本文中からは、詳細な事実関係は明らかではありませんし、被告は否認しており、まだ有罪が確定したわけでもありません。

 しかし、これだけは言えるでしょう。まず、現在の社会において、同性愛者であるという事実を両親や会社に暴露されることは、いわれのない1060万円もの大金を支払ってでも防ぎたいことであるということ。そして、同性愛者(をはじめとするセクシュアルマイノリティーズ)は、多かれ少なかれ、常にそうした恐怖と向き合わざるを得ないということです。

 以前お伝えした「新木場事件2006」に対して、多くの人から、とりわけゲイ・コミュニティ内部からすら寄せられた「『ハッテンするゲイ』が悪い」という論は、この事件をもって破綻したと言っても過言ではないでしょう。今回の被害者は、野外ハッテン場にいたわけでもないのに、恐喝の被害にあってしまいました(起訴状の内容が真実と仮定すれば、被告は、もしかしたらゲイの出会い系サイトを通じて、被害者の裸体映像やメールアドレスを入手したのかもしれません)。新木場の事件と今回の事件に共通する本質は、「ゲイであることを、警察・家族・学校・会社など社会に知られたくない」というゲイの窮状につけ込んだ犯罪であるということです。これらの事件を「ゲイをターゲットとしたヘイト・クライム(憎悪犯罪)」と位置づけるべきことは明らかです。

 今回の事件の唯一の救いは、新木場事件2006と同様、被害者が、自らに内在するであろうホモフォビア(同性愛嫌悪)と闘い警察に訴えたことで事件が明るみに出たこと、さらにそのことによって、私たちに、この不当な状況を社会に問う機会が与えられたことです。私たち(ゲイをはじめとするセクシュアルマイノリティーズはもちろん、マジョリティとされる人々も含めて)は、この信託を真摯に受け止めて行動に移さなければならないと、自戒の念を込めて強く思います。

(ゆ@シンポシオン)


P.S.
 半年以上放置していましたが、シンポシオンはしっかり活動中です! 放置後最初の記事にしては、やや美辞にすぎたでしょうか...でも割と素直な気持ちです。
 さて、法律を勉強している学生としては、今回の起訴状や、検察側立証、特に否認事件なので弁護側の反論、そしていずれ出る判決およびその理由という一連の過程で、何が恐喝行為にあたり、どのようにしてどのような恐怖が被害者に生じたのか(これらがなければ犯罪は成立しませんので、当然触れられるはず)が認定されているかに非常に興味を抱くところです。司法においてゲイバッシングはどう裁かれ、加害者被害者双方のホモフォビアはどのように認定されるのか。こうした情報が公開されるべきこと(むろん個人情報は伏せて)をマスコミに期待しつつ、そうした情報が得られた暁には、また別の記事を書きたいと思います。

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コメント
この記事へのコメント
▼ 「ゲイを擁護するゲイ」の不在、もしくは「ゲイ」の不在
 とか、変なタイトルをつけてみました。

 それにしても、この事件について反応しているウェブ・ブログの少ないこと。「同性愛」「暴露」「恐喝」で検索してみても、わずかしかでてきません。

 その中でも、わずかながら取り上げられているところを経由して、情報を入手しました。なんと、今回の被告は、2000年にも同性愛暴露を引き合いに恐喝事件を複数回起こして逮捕されているようです(↓参照)。
http://www1.neweb.ne.jp/wa/milk/2000en09.html

 上記記事によれば、当時の犯行のきっかけは、自ら伝言ダイヤルを通じて知り合った男性に交際を申し込んだところ断られて逆ギレ、といったものだそうです。つまり、被告もゲイであったということです。このことをとらえた週刊誌は、既に「ホモを恐喝したホモ」などと揶揄して、今回の事件を紹介しているようです。

 まず、加害者がゲイであることをもって、本文中で指摘した今回の事件の本質は変わらないということ、これだけは強調しておきます。いかに、加害者自身もまたゲイであろうとも、ゲイの窮状につけ込んで犯罪に及ぶ手口は、まさにゲイ・バッシングもしくはヘイト・クライムであることには変わりはありません。

 加えて、このことを知って、ますます日本のゲイの状況を表しているように思えてきました。

 「常識的なゲイ」は、新木場事件に対する反応で、同じくゲイであるはずの被害者をこぞって責め立てる一方、今回のような事件では、加害者を責めることも被害者を擁護することもせずに、沈黙。また、今回の事件の加害者も同じくゲイでありながら、他のゲイに対して、ゲイであるが故の弱点を付いた犯罪を繰り返しているわけです。

 これらのことは、「ゲイを擁護するゲイ」の不在を顕著に示す気がしてなりません。いや、むしろ、現在の日本において、「ゲイ」という共通のアイデンティティ、ないしは利害関係というものが、ほとんど形成されていない(あるいは形成に成功していない)と言った方が核心的でしょうか。

 うーん、悲観的にばかりなってもいけませんが。
2007/03/20(火) 20:19:24 ・ ゆ@シンポシオン (URL) PICPFHVU ・ [編集...]
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