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[手術拒否]エイズ理由に 市民病院に賠償命令 甲府地裁

 エイズウイルス(HIV)感染を理由に入院先の病院で手術を受けられず下半身まひの後遺症が残ったとして、タイ国籍の女性(97年に死亡、当時26歳)が甲府市などに対し計約1562万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、甲府地裁であった。新堀亮一裁判長は「医学的根拠のない差別的取り扱いで、原告の人格権を侵害した」などとして、訴訟を引き継いだ女性の両親(タイ在住)に慰謝料計100万円を支払うよう市に命じた。女性が最初に入院した山梨県鰍沢町の医療法人峡南病院については「過失があったとまでは言えない」と請求を棄却した。

 判決によると、女性は92年12月、働いていた同県増穂町のスナックで男から追いかけられ2階から飛び降りて腰の骨を折った。初めに搬送された峡南病院は市立甲府病院に転院させたが、手術実施の決定権を持つ同病院の整形外科主任科長(当時)らが、HIV感染の不安から看護師や患者が動揺することを避けようと手術中止を決定した。タイと日本の平均賃金の差などを考慮し、賠償額を100万円に抑えたとしている。

 判決について宮島雅展市長は「病院と相談し近日中に対応を決めたい。過失があったとすれば、同様のことがないよう努めたい」と話した。【宇都宮裕一、中村有花】

毎日新聞 2005年07月26日20時31分

LGBITに対して直接関係のある事件ではないですが、HIV/エイズへの偏見が招いた事件として取り上げます。

HIV感染を理由に手術拒否って酷いですね。この事件ってある意味、さらなる傷害ではないかと思ってしまいます。ってか、医者だろう!HIVの知識くらい持っておけって感じですね。92年当時は、まだHIVの知識が日本社会で一般的ではなかったとしても。。。

日本の裁判所は、南北の賃金格差まで賠償金に考慮していただけるらしいですね。このニュースを見て初めて知りました。日本で過失があったのだから、日本での賠償額を払うのが相当だと思うのですが。南北の経済格差によって命の値段まで違うようです。これで日本は国連の安保に入ろうとしているのですから、素敵ですね。「経済大国としての責任を今まで十分に果たして来ました」って文句で。まぁ、ここらへんは、ゆ@シンポシオンさんの解説を待ちましょう(笑)

最後に市長のコメントのキレが最高でした。「過失があったとすれば、同様のことがないよう努めたい」とのようです。まだ、この事件を過失として認めていないようです。これが過失でなければ、「過失」ってどんなことなのでしょうね。甲府市、大丈夫ですか?

執筆者 K.
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コメント
この記事へのコメント
▼ 解説します(長いです 笑)
 読みましたよ、判決文。判決まで11年かかってるだけあってめちゃくちゃ長く、しかも医療用語が飛び交ってて読むのが大変でした。
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/EC6D14453B037A2C4925704A00220031/?OpenDocument

 この判決の画期的な点(というか当然ですが)は、医師らが患者のHIV感染を理由として手術拒否し、そのことにより、患者の人格権が侵害されたということを明確に認定しているところにあるでしょう。(1992年当時の段階でさえ。現在ならなおさらです。)HIV感染を理由とした差別的取り扱いは、たとえ「看護師や他の患者に与える影響が懸念」されたとしても、「医師の義務の放棄とも評することができるものであり」、正当化され得ないということです。

 この点、現在でも歯科医の3割がHIV感染者への診療を断っているという状況に対する有効な反論になり得るでしょう。すなわち、歯医者の診療拒否は、HIV感染者に対する理由なき差別であり、人格権を不法に侵害するものと評価することができます。(裁判起こしたら勝てそう。。。)とにかく、基本的な感染症対策がなされていればHIV感染は防げるという知識を、医療従事者に徹底しないといけません(というか医者なんだからそれくらい勉強しろという感じですね、ホント)。
▽朝日新聞「HIV感染者への診療、歯科医3割『断る』 厚労省調べ」2005年05月22日12時33分付記事
http://www.asahi.com/health/news/TKY200505210310.html

 反面、慰謝料算定に不法残留の事実や日タイの賃金格差を考慮してしまっている点(後述)、手術拒否により後遺症を残したという因果関係(原告側の主な請求)までは認めなかった点が問題です。

 というかちょっと脱線しますが、被告側、タイ人だからコミュニケーションを取りづらかったことを理由に、インフォームドコンセントの観点から手術を拒否したみたいな抗弁をしてるんですよ!?いつもはインフォームドコンセントなんて気にしてないくせしてよくそんなこと言えたよなーと怒りを通り越します。(もちろん裁判所はこの主張をばっさり切り捨てています)

 それにしても思うことは、この女性は何重にもに迫害されているなということ。すなわち、まず「HIV感染者」であるという点、次にいわゆる「不法残留」の「外国人」であるという点、そしてスナックのホステス=「水商売」で働いているという点。日本の矛盾が詰まりに詰まっている事件だなぁと思います。ていうかスナックで暴行した上、追いかけまわした男、出てこい!って感じなんですけれど(この事件自体は解決しているのか不明です)。

> 日本の裁判所は、南北の賃金格差まで賠償金に
> 考慮していただけるらしいですね。

 これはこの判決の大きな問題点ですね。

 判決は、不法残留であった点と、日タイの賃金格差の2点を賠償額算定の考慮に入れてしまっています。しかし今回認められた100万円は、治療に対する期待権と人格権への侵害による精神的損害を賠償するもの(この部分の原告側請求は600万円)です。休業損害などの部分で賃金格差を考慮するならばまだしも(この点についても批判はあります)、特に人格権に対する慰謝料について、不法残留の事実や賃金格差が考慮されるべきではないと思います。

 というか、11年裁判続けてきてたった100万ですもんね。切ないです。

> 過失があったとすれば、同様のことがないよう努めたい

 まあこれは、まだこの判決が確定していない(控訴する・されるか決まっていない)というレトリックかなぁと思いますけどね。
2005/07/28(木) 11:18:25 ・ ゆ@シンポシオン (URL) yra9SvHk ・ [編集...]
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