menu トップ シンポシオンについて LGBITについて リンク ICU内のLGBIT当事者のための相談窓口はこちら
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:--スポンサー広告 ・ トラックバック(-) コメント(-)
「結婚で更生を」性別変更の被告、2審で猶予判決

 覚せい剤取締法違反罪に問われ、大阪拘置所収監中に男性から女性へ戸籍上の性別変更を認められた被告(26)の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。

 被告は性別変更後、交際中の男性と結婚しており、瀧川義道裁判長は「婚姻し、社会の中で更生できる可能性が高まった」などとして、懲役1年2月(求刑・懲役2年)の実刑とした1審・大阪地裁判決を破棄し、被告に同2年、執行猶予5年、保護観察付きの有罪判決を言い渡した。

(引用:読売新聞 2005年7月20日0時3分付

 判決などによると、被告は心と体の性が一致しない「性同一性障害」で、性転換(性別適合)手術を受け、大阪市内の飲食店で勤務。別の窃盗事件などで今年1月、有罪判決を受けた6日後、覚せい剤を使用したとして、逮捕された。

 被告は、拘置所で男性として扱われるのに耐えられず、大阪家裁に戸籍上の性別変更を申し立て、5月に認められ女子用施設に移された。控訴審の被告人質問では「更生して主婦として生きたい」などと主張していた。


 驚きの展開って感じですね。。。! 以前、「ニューハーフの収監者『性別変更』認められ女子房へ」という記事でお伝えしたニュースの続報です。

 問題を分けて考えましょう。まず、婚姻したという点。これは、性同一性障害特例法で性別変更した人は、変更後の性にとっての異性と婚姻できる権利が発生しますから、たとえ拘置中や収監中であったとしてもまったく問題ありません。とても喜ばしいことです。

 しかし、この結婚が更生可能性を高めたため猶予判決とした裁判所の判断は、かなり疑問です。この「婚姻したら、更生可能性が高まる」という論理で行けば、「婚姻しないなら、更生可能性が(低まると言わないまでも)高まることはない」わけですが(対偶)、果たして婚姻と更生可能性とはそんなに結びついているものなのでしょうか。この論理でいけば、婚姻をしない・できないシングル・レズビアン・ゲイなどは、婚姻により更生可能性が高まることはないわけですが、この結論を相対的・結果的に見れば、これら人々は、婚姻をしている人々にくらべて、更生可能性が低い集団であるとみなすものであり、納得できません。

 そもそも、別の窃盗事件直後とはいえ、一審の実刑判決が重かったのかなという気もしないでもありません。また、「主婦として生きたい」などといった主張からうかがうに、弁護人側の法廷戦術であったかもしれません。しかしながら、判決理由を導く論理構造としては不適当である気がしてなりません。

 (なお、ソースとしてこの新聞記事のみを参照しており、事実関係や判決文を直接参照していないので、誤解があるかもしれないことをおことわりしておきます。)

(執筆者:ゆ)
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
▼ また勇気のあることを・・・
ゆさんは、ぬかしてますね(笑)抗議が来そうなことばかり・・・。今回の事件のニュースは、ここによくトラックバックをしてくださっているTransNewsさんのところが大変充実しています。http://transnews.exblog.jp/pg/blog.asp?eid=d0066343&iid=4&acv=&dif=&opt=2&srl=1354670&dte=2005%2D07%2D23+11%3A27%3A28%2E000 ここですね。

Transnewsさんが引用しているサンケイスポーツによると、「滝川義道裁判長は「被告は性同一性障害で安定した男女関係を持つことが難しく、薬物依存の要因となっていた」と指摘したうえで「婚姻し、夫が更生への援助を申し出ており、本人も反省を深めて、社会復帰後は主婦として生きていくと話している。社会内で更生できる可能性が高まった」と理由を述べた」らしいです。薬物依存の理由は「安定した」男女関係が持てなかったためで、婚姻によってその要因が取り除かれたという判断ですね。私個人としては、この判断は悪くはないと思うのですが。そもそも、懲役刑は国家による「懲罰」と「更正」の二つの目的としてありますから、もし、「更正」の可能性が懲役よりも高いと考えられるのならば、そちらを優先するのにも理由があると思います。特に、薬物依存のような「更正」の難しい犯罪の場合は。

ただし、ゆさんが主張するように、「この論理でいけば、婚姻をしない・できないシングル・レズビアン・ゲイなどは、婚姻により更生可能性が高まることはないわけですが、この結論を相対的・結果的に見れば、これら人々は、婚姻をしている人々にくらべて、更生可能性が低い集団であるとみなすものであ」るという論理展開の可能性は無視できませんよね。しかし、私たちはもっとこのような論理を有効活用できるかもしれません。レズビアン・ゲイは、裁判官も認める更正可能性が拡大するような婚姻生活を国家によって阻害されており、これは重大な人権侵害であると。

この論理は、もちろん諸刃の武器ですが。シングルへの抑圧の可能性は強まりますし、かく言う私、シングルです!シングルの立場から言わせてもらえば、こういう論理って、現体制で「幸せ」(そうに見える)なら、とことんご褒美が貰えるんですねって感じですが。別にヒガんでいるわけじゃないですよ。たぶん。
2005/07/25(月) 00:08:09 ・ K. (URL) xH5E..Ak ・ [編集...]
▼ 雑感
いつも面白く読ませていただいてます。ふらふらとこのサイトに行き着きいた都内在住の学生です。以後、お見知りおきを。

この裁判官の考えには結婚はその他の「男女関係」よりすごいんだ、えらいんだっていう大前提があるんでしょうね。もちろん現行構造下では、結婚すると法的にも政策的にももろもろ保護されて、「家族」になるわけだから、あたりまえったらあたりまえですが。

で、ゆさんと違った視点から言えば、麻薬常習者の更生の責任を専ら家族に負わせているという点でも問題かもしれません。専らってのは言い過ぎかもしれませんが、家族がしっかりしてれば人は麻薬から抜け出せるっていうのは問題を不当に個人化してませんかね?麻薬問題も個人的な問題では決してなくて、極めて社会的な問題です。なんで本当は行政の積極的かつ「適当」な対応が必要なはずです。家族か、収監か。人によってはどちらも似たようなものだというかもしれません。家族が原因で麻薬に走る人ってすごい多いでしょう。この人の場合に限っては、家族をつくることがいい方向にむかうと裁判官が判断したわけで、まあ、それはあながちずれていないかなとも思うんですけど、家族はぜんぜん万能なんかじゃないし、むしろ家族にいろいろ負わせすぎることによって、家族自体が抑圧的にすらなる。そのことは忘れちゃいけないし、踏まえて行動しないとですよね。

で、話は変わりますが、最近の麻薬対策は歌舞伎町の締め付けとおんなじで、とにかくパクる。ただ、それだけらしいです。それから性教育バッシングとおんなじで正確な情報を与えたりっていうことが難しくなってるみたいです。結果、販売ネットワークが地下組織化して、劣悪な品物が市場に出回ってしまう上に、ユーザーは不正確な情報のもとやっちゃうからすごい危険。死人もよくでるそうです。
2005/07/27(水) 02:23:22 ・ ジャーキー (URL) JalddpaA ・ [編集...]
▼ 勇気あるかしら(笑)
>K.さん
> レズビアン・ゲイは、裁判官も認める更正可能性
> が拡大するような婚姻生活を国家によって阻害さ
> れており、これは重大な人権侵害であると。

これは私も考えたんですけれどね、、、
ちょっと諸刃に過ぎる気もしますね。
でも戦略としては取り得なくもないと思います。
ある種、おナミダちょうだい作戦ですね(笑)


>ジャーキーさん
はじめまして!これからもどんどんコメントしてくださいね!

> 家族がしっかりしてれば人は麻薬から抜け出せる
> っていうのは問題を不当に個人化してませんかね?

すばらしい視点だと思います。
社会全体でのサポートが必要ですよね、ホント。
まぁ「家族」も「収監」も、場合によっては「社会」も、
所詮「監獄」なのかもしれませんけれども。。。
ここらへんはK.さんが詳しいかな(笑)

> 結果、販売ネットワークが地下組織化して、劣悪な品
> 物が市場に出回ってしまう上に、ユーザーは不正確な
> 情報のもとやっちゃうからすごい危険。

まさにそうですね。見たくないものを見えなくしてしまう。
この点、日本はなんでもかんでも「ダメ、ゼッタイ」ですが、
オランダとかはマリファナとか害の少ないものはOKみたいな手法を取って、
それなりの成果を挙げているみたいなことを聞きますよね。

日本では、ラッシュみたいな健康への害がわからんようなモノまで
薬事法解釈でパクるぞーみたいなことを厚労省はおっしゃっておりますが、
まさにそのいい例かもしれません。
http://www.badi.jp/kiji/2005/06/nw0506012.html

そしてこのような「包囲網」に対して反論することがためらわれることこそ、
「権力」なんでしょう。
(ラッシュ規制反対!なんてなかなか公に言えないでしょ)
2005/07/27(水) 23:41:57 ・ ゆ@シンポシオン (URL) yra9SvHk ・ [編集...]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。