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登別・同性愛ペンギンの抗議に対する回答が届きました!
 同性愛ペンギン「隔離」のニュースを受けて、先日メールで抗議したとお知らせしましたが、去る15日、早くも登別マリンパークニクスの方から回答が返ってきました。
 今回の回答は6月15日に届いています。私がメールを送信したのが6月11日ですから、実に4日後には返答をいただいたということになります。非常に素早い対応で素晴らしいと思います。そして、その返信内容もまた、誠意を感じられるものでした。その内容に関しては、ゲイジャパンニュース宛の返信内容とほぼ同様ですが(ここでは記事に関するコメントは割愛されているようです)、改めて以下に要点を掲載するとともに、便宜上番号を振ります。

(1) 今回問題になっているペンギン=キングペンギンは、生涯ペアを組む鳥ではなく、毎年新たなペアを構成し産卵育雛する鳥である(産卵しなかったペアは繁殖期後に自然にペアを解消する)。

(2) 一昨年、昨年と同性ペアが発生しているが、ペアを引き離すことはしていない。その結果、昨年繁殖した雛は1羽である。

(3) 今年は、同性ペアになったペンギンを無理矢理引き離したのではなく、「繁殖できるペア構成の可能性の高い群にして」ペア構成期の飼育を行った。その結果、2組の雌雄ペアが構成され、産卵・抱卵に至っている。その一方で、今年もまたオス同士のペアができており、例年通りそのまま飼育・展示している。

(4) 同性ペアを無理矢理引き離したように読める今回の新聞報道は、キングペンギンが毎年新たにペア構成する鳥であるという理解を欠いたもので、新聞記者が、真に理解を深めずに生き物の尊厳を面白おかしく取り上げた結果である。

(5) 仮に、既に出来上がった同性ペアを無理矢理引き離したとしても、新たに産卵育雛できるペアを構成する確率はかなり低いだろうし、生き物の尊厳から好ましくない。

(6) ペア構成前に無理矢理オスメスにしたところでペアが構成されるものではないから、今年は「繁殖できるペア構成の可能性の高い群にして」ペア構成期の飼育を行った。

(7) 貴重な生物を適正に繁殖させることは、水族館の重要な使命の一つであり、「生き物たち性有るものの尊厳は、しっかりと守っていると確信」している。


 ペアは毎年変わること、構成された同性ペアを無理矢理引き離したわけではないこと、などなど、いろいろ見過ごしていたことがハッキリしてきました。こうなると俄然、新聞記事自体が問題とされなくてはいけないでしょう。

 まず、記事には

同性ペアを引き離し、雌雄間でのカップリングを試みているが...


とか

同園は5月から同性ペアの雄と雌各1羽を別室に隔離した。当初は名残惜しそうに古巣を見つめていた2羽も、現在は交尾するなど変化の兆しをみせ始めている。


などと書かれていますが、ここでいう「同性ペア」とは、一昨年・昨年にオス同士・メス同士の「ペアであったもの」に過ぎず、すでにそれらオス同士、メス同士は「ペア」ではないわけです。(4)で水族館側が指摘するように、新聞記者に、キングペンギンが毎年毎年ペアを組み替える鳥であるという理解が不足していたために起きた、「誤報」にも匹敵するものでしょう。

 加えて指摘すべきことは、新聞記者に内在するホモフォビア(同性愛嫌悪)の感情です。この新聞記事は、表面的には、ペンギンの同性ペア発生によってペンギンの繁殖に問題が生じている、という事実を伝えるものですが、実は、人間の同性愛に対する嫌悪の感情を露呈させたメッセージである、とも言えるのではないでしょうか。

 新聞記事は、

...専門家は「飼育下で性別が偏ったことが原因ではないか」とみている。


飼育員の堀江純子さん(31)は「原因は分からない。同じ場所で生活し、決まった時間に同じ物を食べる環境が繁殖行動に影響を与えたのだろうか」と困惑している。


北海道大大学院水産学研究科の綿貫豊助教授(海洋生態学)は「野生のペンギンでは、同性間のペアはめったに発生しない。飼育下で雌と雄の数のバランスが崩れたのが原因でないか。...」と話している。


というように、専門家や飼育員のコメントを引用する形で、人工的飼育環境が同性ペアを生じさせたのだという主張を、短い記事の中で3回にも渡って繰り返していますが(おそらく一番最初と最後のコメントは、同じ助教授のコメントの言い換えでしょうけれど)、このような主張は、同性愛は自然には発生することはあり得ず自然に反する現象である、というような前提なしには成り立ち得ません。反自然たる同性愛は、解決・克服されるべき「問題」とされ、そこでは、同性愛が(ペンギンであれ、人間であれ)嫌悪されるべきものとして描き出されます。また、こうした同性愛に関するバイアスが、キングペンギンが毎年ペアを変える鳥であるというような基本的な情報を見過ごしたことの原因となっているのではないか、とも疑わせますね(あるいは、意図的に見逃したとしたら、その方が怖いことですが!?)。

 このように、一義的に責められるべきは、報道の姿勢です。毎日新聞側は、少なくともキングペンギンのペア形成に関する事実関係の訂正をすべきでしょう。しかし、それでもなお、水族館側の対応に疑問を感じる点もあります。

 今年は「繁殖できるペア構成の可能性の高い群にして」ペア構成期の飼育を行ったそうですが、「繁殖できるペア構成の可能性の高い群にする」(この表現は回答原文のままです)ってなんでしょうか。オスメスの構成比には明らかに偏りがあるのだから、いくら群を分けたところでその偏りは解消できないでしょう。この点は回答には詳細は記されていなかったので、後にまたメールで聞いてみたいところですが、新聞記事によると「同性ペア(であったペンギン:括弧内引用者)の雄と雌各1羽を別室に隔離した」のですから、過去にペアを構成したオス/メス同士カップルをそれぞれ違う群に割り振ったということは考え得ることでしょう。仮にそうならば、結局、形成された同性ペアを強制的に隔離するか、同性ペアが形成されることを予防するか、といった違いにすぎず、反・同性ペアという点に関しては違いは無いわけです。動物愛護の観点から言っても、前者なら生物の尊厳を侵害することは水族館側も(5)で認めているところですが、後者は果たして生物の尊厳を侵害しないのか、疑問が残ります。

 まあ、(7)にあるように、繁殖もまた水族館のお仕事なのですから、繁殖に資さない同性ペアが「やっかいもの」と扱われるのは、ある意味で仕方ないかもしれませんが。。。 しかし人間界においても、人類(国家)の生殖・存続に資さない同性愛者が「やっかいもの」扱いされているわけで、同様の論理構造を持つ点は注意しなければなりません。

 ちなみに、登別マリンパークニクスのページに12日、14日に産卵したばかりの2組の写真と、去年誕生した1羽の雛の成長記録の様子が載っています。なんともカワイイ♪ 去年誕生した雛は、生物学的な親が抱卵しなかったため、無精卵を抱いていたメス同士のペアに代わりに抱卵させ、育ててもらったそうです。子の親が「本当の」親じゃなくてはいけないなんてことはない、いい例ですね。

(執筆者:ゆ)
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